西田明弘

BISの報告書によれば、2016年4月の為替取引高は1日平均で5.1兆ドル。日本の年間GDPは約4.7兆ドルなので、日本の国内で1年間に生み出される付加価値を上回る規模の為替取引が1日で行われていることになる。 1年のうち為替取引が行われる日数を250日とすれば、年間の為替取引高は1,275兆ドル。一方、2015年の世界貿易の額は16.5兆ドルだ。貿易に関わる為替取引、いわゆる実需の取引額は33兆ドル(輸入と輸出、世界貿易額×2倍)となり、為替取引全体からみれば40分の1程度にとどまる。外貨や外貨建て資産への投資など、貿易以外の為替取引がいかに大きいかがよく分かる。